愛知県の医療機関は数多く、県内各地に分散しているため、幅広い範囲に対応できる強みを持っています。それ故に、医療現場は常に多くの問題も抱えており、特に医療現場を悩ませているのが、少ない医療資源と他県から流入してくる患者の2つの難題です。
愛知県における総看護師数の偏差値は、人口当たり44と全国平均の50をやや下回り、病床数や病院勤務医数などの偏差値も、他県と比較すると低い傾向にあります。このような状況に加えて、岐阜県や三重県など隣県から流入してくる患者にも対応しなければならず、愛知県では看護師の業務が多重しがちです。
この傾向は年々悪化の状況にあり、残業などで不規則な生活を強いられることから、子育て世代の看護師から保育支援などの基準化を望む声が上がっています。看護師の求人数は多いものの、看護師の早期離職が後を絶たず、充員されない医療機関がほとんどです。さらに、日本の少子高齢化が追い打ちをかける恐れもあり、愛知県の医療機関は早急な対策が必要な状況に迫られています。
しかし、決して問題点ばかりではありません。医療機関では、IT技術の導入による電子カルテのデータベース管理など、記録の電子化による作業の効率化が進んでいます。電子化の普及率は増加傾向にあり、愛知県でもクラウドサービスの活用や導入検討が増え、医療現場の改善に向けた動きがあるのです。愛知県での就職や転職を希望する看護師は、このような医療現場の現状を踏まえたうえで検討しましょう。